なぜ地下足袋か?
ヤマノボラーならシューズにはこだわりたいところ。しかし、履きやすくて、滑らなくて、足が痛くならずに安いシューズ何てあるのだろうか・・・あります!地下足袋がそれです!
シューズかどうかは知りませんが、すべて満たしています。
地元の六甲山でも何人か見かけるが、まだまだ少数派の地下足袋ハイカー。
こんなに素晴らしい履物なのに、なぜ履いてる人が少ないのか・・・それは多分みなさん地下足袋のメリットを知らないからだと思う。
ここはひとつ、地下足袋はいかに素晴らしいかを述べて行きたいと思う。
地下足袋のメリット① 自然と一体になれる。
地下足袋は底が薄く、ほとんど裸足と変わらない感覚なので初めて履いた時は衝撃的だった。地面の凹凸、落ち葉や苔の柔らかな感触がダイレクトに伝わってくる!あぁ、今俺は山を踏みしめて登っているんだと、実感出来ます。フカフカのコケの上や落ち葉の上を歩くと、上等な絨毯の上を歩いているようなその感触にきっと病み付きになるでしょう。小石を踏んだ時の足の裏にグリィ!とめりこんで悶絶するのも良いアクセントになります。
地下足袋のメリット② 健康にいい
足の裏は体中のいろんな神経と直結しており、足の裏をもむと体の悪いところが色々改善されるとかなんとか。まぁ足の裏が気持ち良いだけでも十分です。
地下足袋のメリット③ 滑りにくい
まず滑らないということは、登山靴において最重要項目である。岩場でのスリップはそのまま滑落、事故に直結する。一般的にはビブラムが滑りにくい言われているが、それは乾いてしっかりした岩場での話。濡れてたり、石が砂でおおわれていたり、苔が生えてたり、傾斜45度ぐらいのズルズルの泥壁だったり、通常の登山靴では滑りやすいシチュエーションはいくらでもある。また、日本の里山のバリエーションルートはそういったところが多い。
地下足袋は底が極端に薄いため地面の凹凸にしっかりフィットするため、接地面積が大きくなる。接地面積が大きいイコール摩擦が大きくなり滑りにくい。これは沢登りで濡れている岩場を登るときに特に重要になる。なぜなら濡れた岩場はゴムのフリクションがあまり期待できないからだ。降雨後の緩んだ土の急登でも、足の親指を地面につっこんで(ちょうどアイゼンの前爪でキックステップするように)歩くと滑りにくい。(わらじを履くとさらに滑りにくくなる)
わらじについてはこちらにまとめてます。
実際、とび職などの高所作業のかたも地下足袋愛用者は多い。
また、親指を鍛えると岩の出っ張りに足の親指を引っ掛けることができ、これは手で登るような安心感がある。それにクライミングシューズとまではいかないが小さいスタンスにも足の親指の先で立ち込むこともできる。(片足の親指の先端で立てるぐらい指を鍛える必要がありますが)
地下足袋のメリット④ 走れる
一般的には底のクッションの分厚いシューズでないと足を痛めると思われがちですが、地下足袋でも走れます。ただし、普通の走り方だと膝、足首など故障しますので、ベアフットランで走る必要があります。ベアフットランについては詳しく説明しませんが要は素足での走法で、トレーニングに半年は掛かりますが、走れるようになります。
走るならトレランシューズで良いんじゃないか、と思う人もいるかもしれませんが、まぁそのその辺はケースバイケースで。自分は岩登って、ヌメッた滝も登って、山頂に着いたら走って下りるので地下足袋がベストチョイスなのです。
地下足袋のメリット⑤ コストパフォーマンスがいい
これが最大のメリット。2000円ほどで買えます。耐久性は半年ほどで縫い目が破れてきますが底のゴムは意外と丈夫です。20kg以上のボッカで半日ほど歩いても大丈夫です。
プラス脚絆も入りますが、これはそう簡単に破れないので2年ぐらいは持ちます。
地下足袋のメリット⑥ 足運びがうまくなる
地下足袋で小石を踏むと、メッチャ痛いです。そのため、自然と小石をよけてしっかりした足場を選んで歩く癖がつく。慣れると瞬間的に歩きやすいところを選んで走れるようになります。この、歩きやすいところを瞬間的に判断するというのは特に激登り、激下りで効果を発揮します。
自分は岩登り、沢登り、トレランを地下足袋でやってみて、結論として、地下足袋は最強のアプローチシューズである、と思う。
まぁとにかく、地下足袋を履くなら足の親指が強くなかったらいかんっちゅう話です。あとふくらはぎの筋肉も鍛えないといけない。これが地下足袋登山の最大の壁ですね。
地下足袋の種類について
地下足袋の底は薄いほうがいい。よくエアーの入ってるやつとかありますが、あんなのは本末転倒、スニーカー履けばいいんじゃないの?と思います。
また、スパイク付きの地下足袋もありますが、あんなの履くなら長靴でいいんじゃないの?と思います。地下足袋の最大のメリットは、底の薄いゴムで足の本来の機能を最大限に引き出すことにあるからです。
エアーが入って無くても、しっかり前足部で着地して足首、ひざのクッションで衝撃を吸収すれば足が痛くなることはありません(ベアフット走法)。また、スパイクが無くても滑りません。土に親指を突っ込めばいいんです。滝の高巻きで傾斜60度ぐらいの土の壁を登ったときも、足先を土に突っ込んだり、埋まっている石に親指の先で乗りながら登れました。
地下足袋の種類によって底のゴムの質が違うが、底が生ゴムのものが滑りにくい。自分は岩場メインの場合は丸五のジョグ地下を、沢登りではキツめの力王太郎を履いています。
・力王ファイター:いわゆる普通の地下足袋。
・力王太郎:力王ファイターよりもフィット感が良いらしい。
・丸五ジョグ地下:滑り止めパターンがあるので、岩場では圧倒的に滑りにくい。貼り付け足袋なので若干底が厚く、防水性もある。ただ裁縫が甘いような気がする。縫い目がよく破れます。
あと足の細い人は良いですが、自分は足が太くてコハゼ(爪型の金具)が下から3つぐらいしか留まらないので、上から脚絆を付けています。