大峯奥駈道を地下足袋で歩いてみた
大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)は、吉野と熊野を結ぶ大峯山を縦走する、修験道の修行の道。1000-1900m級の険しい峰々を踏破する「奥駈」という峰入修行を行なう約80kmに渡る古道を指すーWikipediaより
大峯奥駈道。地下足袋登山を始めて2年、一度はこの修験の道を地下足袋で歩いてみたいと思っていて、今回5連休を利用してようやくその念願が叶いました。
前回の大峯奥駈道縦走は2年前、ちょうど地下足袋デビュー直前の9月のシルバーウィークにスポルティバのボルダーXで縦走しましたが、巻き道があれば迷わず巻き道を進み、出来るだけ楽をして、それでもかなりしんどかった記憶があります。最後足の裏に水ぶくれできて痛くて歩けんかったし。あれから地下足袋で走ったりボッカしたりで鍛えましたが、今回地下足袋でどこまで行けるか。
実際距離は90km以上あり、テント泊装備15kg~18kgをかついて4日間で歩きとおしたので1日平均20km以上の距離を移動したことになる。歩いていたら間に合わないので平地、下り坂では走ることになり1日12時間以上の強行軍はかなりきつかった。
2日目の弥山~釈迦は残雪で足は冷え切り、夜はツェルトが雨漏りして服の中までびしょびしょ、まさに修行。一度は撤退を決めましたが・・・
●日数:3泊4日(2017/5/3~5/6)
1日目(晴れ)、吉野~大天井ヶ岳~山上ヶ岳~小笹宿
2日目(曇り~雨)、小笹宿~大普賢岳~八経ヶ岳~釈迦ヶ岳~千丈平
3日目(晴れ)、千丈平~深仙~行仙岳~笠捨山~地蔵岳~21世紀の森
4日目(曇り)、21世紀の森~玉置山~本宮まで
●装備
軽量ツェルト泊装備。水無しで14kg(水4L+で18kg)
食料5日分。
●今回の行動食
・パワージェル→食べず。
・BCAAのゼリー→食べたが無くても問題なし。
・柿ピー→食べず。
・カロリーメイト4袋→食べず。
・カントリーマアム10個→2個消費。
・ミックスナッツ→7割消費。
・チーズ:8個→6個消費。
・スティックメロンパン→完食。
・魚肉ソーセージ2本→1本消費。
・甘納豆→完食。
振り返ってみると、ミックスナッツばっかり食べてた気がする。もうちょっと減らしても問題無さそうだけど、ま、予備の食料として持っといてもいいか。
今回の縦走で心がけたことは、とにかく1時間に1回や30分に1回、行動食を口にするということ。始終速いペースで歩いているので体がどんどんエネルギーを欲しているので、空腹でなくても食べる。で、食べるときは一口分でいい。1回の食べる量は少なく、回数を多くする。そのためにミックスナッツをジップロックに小分けして持っておく。
●足の痛み
・2日目から右足のアキレス腱あたりに痛みが出だした。軽い腱鞘炎かも。先週のボッカの時もだったので、変な癖がついてるのかもしれない。登りでアキレス腱を伸ばすと痛むので足首を固定して登ると痛まない。でもこのおかげで「横向きに登る」という技術を習得した(^^)
・右足の薬指の爪の下に水膨れが出来た。地下足袋の形状がやや先細りなので当たってたのかもしれない。
・最終日、さすがに10時間近く座らずに移動していると足の裏に掛かる負担も相当なもんで、前足部が痛くなったので足刀部での歩き方に切り替えて対応。
吉野~大天井ヶ岳~山上ヶ岳~小笹宿
近鉄吉野駅。ここからスタートです。
ケーブルは休みでしたが、元々使うつもりはないので問題なし。
お花に癒されます。
仁王門、秘仏を御開帳とか書いてました。
こんなところ泊まってみたいですねぇ。
ここだけ色鮮やかでした。
また桜の時季に泊まりで来たいですねぇ。
修行門をくぐる。
ここでちょっと休憩。
ここから山道なので地下足袋に履き替える。
やっぱり土の上を歩くほうが気持ちいい(^^)
倒木を乗り越える。
足摺宿を通過。
山桜はまだまだ咲いてます。
二蔵宿を通過。ここはベンチがあり、何人か休憩している人がいました。
前回は左の巻き道を行ってしまったので、右の大天井ヶ岳へ。
山頂に到着~けっこうきつい登りでした(´д`;)。
女人結界門。ここから先はオッサン100%です。
鍋のぶら下がってるところを通過。
鎖場。まだまだ序の口です
この標高で雪が残ってるということは、上はもっとあるんやろなぁ・・・
洞辻茶屋でちょっと休憩。
行動食に甘納豆は欠かせませんね。
左の道へ。
鐘掛岩。今日はしんどいので登りません。
大峯山寺の門をくぐる。
世界遺産、大峯山寺を通過。
このへん気持ちのいいハイキングコースです。
かなり雪渓が残ってます。
根元から抜けてる木。よく見る光景です。
小笹宿に到着~
今日の寝床です。このテント場は広いし、風が無いし、水が豊富にあるので最高ですね(^^)
晩御飯はオートミール+高野豆腐の謎の汁。
明日も早いのでさっそく寝ます。軽量化のためシュラフ、シュラフカバー無しなので服を着こんで寝ます。
残雪の登り。堅いので上を歩けるが、ところどころ足が潜り込む。靴なら問題ないけど地下足袋なのでね・・・ちょっと足を濡らしました。
ここも前回はピークを踏んでないので行っとく。
ガスで展望は無し!
先へ進む。ちょっと降ってきました。
鎖場あり。ストックが非常に邪魔。
七曜岳を通過。
行者還りの水場はちょろちょろ出てました。
足場の悪いところを下りる。
行者還り小屋。キレイな小屋なので一度泊まってみたいですねぇ。
バイケイソウ畑を通る。毒があるため鹿が食べないらしいが、地味~な草なので写真とっても面白くないな。
ここもテント場によさそうですが、水が無いので、冬限定ですね。
山頂直下の階段地獄。ところどころ雪が残ってます。
弥山に到着~こんな天気でも沢山の人が休憩中。
コーラにしようか迷ったけど、胃にやさしそうなオレンジにしました。300円。
雪の上を歩くたびに冷た~い水が染みて来るので、もうほんと勘弁してほしい・・・
八経ヶ岳に到着~ガスで展望無し!
釈迦へ向かいます。
楊子のあたり崩落地あり。ロープありますが、地面が泥で滑るので注意。
ここを下りるわけじゃ無いんですけど、なんとなく下が気になる。
崩落地をトラバース。
楊子の宿を通過。
雪は勘弁してくれ~
このへん地面はどろどろ、稜線は雨交じりの風が吹きつけてメッチャ寒い(´;ω;`)
鳥の水はしっかり出てました。
釈迦が岳に到着~。この少し手前で出会った男性二人は、この天気なので明日は前鬼に下りるそうなので、それも良いかな~と思いました。
予定では深仙でしたが、東からの風がつよくツェルトが張れないかもと思い、千丈平まで下りました。かくし水はしっかり出てます。
もう疲れたので、早く休みたい・・・
濡れた靴下を履き替えて足を温める。ようやく一息付き、ゆっくり休めるわ~と思ってました。この時までは・・・
これ、水をこぼしたんじゃなく、天井から降ってくる水滴です。どうも上の縫い目あたりから雨が染みてきてるようです(´д`;)。座ってると天井に頭がつくので、カッパのフードを伝ってポタポタ水滴が落ちてくる。タオルで拭いてもキリが無く、そのうちツェルト内の全てのものがびしょ濡れに。
真ん中のマットを敷いているところは良いですが、両サイドの床は水たまりが出来てるので食糧、カメラバッグをビニール袋に避難させ、タオルで拭いては外で絞って排水作業をする。カッパを着てても中のダウンまでビショ濡れ、寒くて寝てられないのでガスの火で手を温めたり、体を動かして体温を上げて耐える。でも人間の適応能力って凄いですね。こんな状況でも3時間ほど眠れました。
冷えた体を温めるためにトムヤムクンスープを頂く。すっぱくて美味しい(^^)